不動産投資をしたくても初期投資が大きい。しかし、彼のアイデアは不動産を持たずに不動産投資をするというビジネスモデルだ。

思いついたキッカケは、ポスティングサービスをしていて、なぜこんなに空き家が多いのか?と疑問に思ったこと。工夫すれば、貸せるのではないだろうか?

そこで、彼は空き家の持ち主を割り出し、交渉する。もちろん空き家の持ち主を見つけるのも簡単ではない。そもそも貸そうと考えていない人なのだから、情報が出ていない。

自前で綺麗に掃除をして貸せる状態する。部屋を借りる人を見つける。そのかわりに、又貸しの許可、又貸しで賃貸人がいる時だけ持ち主に賃貸料を支払う条件を了承してもらう。

ずっと空いている空き家なので、かなりボロい。壁に穴、天井に穴、床に穴、キッチン、風呂ボロボロ。普通、この汚さでは貸せないと考える。しかし逆転の発想。自由にDIY可能とする、家賃を相場の半額近くまで下げる等の工夫で、部屋を埋めていく。

ビジネスモデル

低所得者向けのビジネスであり、経営能力のない地主向けのビジネスだ。

日本には産まれた家によって、持つ者と持たざる者が存在する。持つ者であっても、その活用の仕方を知らない人がいる。空き家のまま放置し、親から譲り受けたため売却も躊躇し、ただ固定資産税を払い続ける地主。

彼は、ただ固定資産税を払い続けている持ち主に収入をもたらし、低所得で住む場所に苦労している持たざる者に部屋を提供している。日本におけるBOPビジネス。これは社会問題の解決手段の一つだろう。

賃貸保証サービスとの違い

賃貸保証サービスは、大家の代わりとなって、アパート・マンション経営をしてくれるもの。仮に空き家になっても、家賃は入ってくる。聞くところによると、アパートの建築、リフォームは地主持ち。家賃保証サービスの取り分は、年々大きくなるらしい。大家の投資額は大きい。むしろ賃貸保証サービスが大家を巣食うビジネスだ。しかも、ここで運営されるアパートに入れる人はそれなりの年収が必要だ。

廃墟不動産の場合、大家がお金を払うことはない。賃貸する人がいればお金が入る。ここが大きく違う。
そして、普通のアパートに入れない方に住宅を提供している。

リスク

とはいえ、廃墟不動産にもリスクはある。ずっと人が住んでいないボロい空き家なので、建築物の安全性という面ではリスクがある。地震で倒壊とか。。。それでも賃貸人には圧倒的安さで、そのリスクを承知の上で、住んでもらっているのだろう。

空室リスクもあるだろうが、日本には低所得層は必ずいるわけで、住居は必要だ。完全に無くなる事はないだろう。

激安不動産投資との違い

500万以下のボロボロの戸建てやアパートを再生して、利回りを20%以上で運営している方もいる。これは不動産投資としてもかなり優秀だ。それでも数百万の投資が必要となる。貯めれない額ではないが、やっと貯めたお金を全額投資、というのは中々勇気の要るものだ。

廃墟不動産の投資は、家主との交渉と、簡単な掃除、DIYリフォーム代数万円。投資対効果としてはかなり優秀だろう。仮に10万円でDIYリフォームをして、1万円/月、自分の懐に残れば、年率100%を超える。

類似ビジネスモデル

一休.comのサービス立ち上げのキッカケも、なぜホテルの電気がついていないのか?こんなに低い稼働率でやっていけるのか?値段を下げて、露出機会を多くすれば、泊まる人が増えるのではないか?という気付きから。この発想は、廃墟不動産に通じるところがある。

空いているものを紹介して、紹介料を得る。アフィリエイトビジネスを自前で構築している。まだ日本には、未稼働の資産というものは沢山あるかもしれない。

廃墟不動産は直ぐに真似できるのか?

本だけを読むと非常に簡単に見えるが、かなり人間力が問われそうだ。空き家の持ち主探しには取材力がいるだろうし、持ち主の前に突然現れて、こんな話をする。怪しいと思われ、断られることも多いだろう。それでも負けずにやっていける営業力がないと成り立たない。

しかし、日本には空き家問題が大きくのしかかっている。また、供給過多のワンルームマンションについても同様に大問題だ。ワンルームマンション投資をした人は、下がる賃料、増える管理費・共益費で利益は出ない。ローンを組んでいたら赤字だ。

ワンルームの住居として貸すのではなく、その他の用途で貸す方法を考える必要がある。今流行りなのは、Airbnbを利用した民泊。ただ、法的な整備がないとグレーゾーン。

自習室として貸し出す。社会人も継続的な勉強が必要だが、家に集中できる書斎が無いのが一般的だろう。

楽器練習室として、防音化して貸し出すのもありだろう。楽器を趣味にする人は、練習場所でいつも困っている。